本研究の目的は、沖縄本島中部に位置する読谷村における米軍基地跡地開発のプロジェクトの歴史的過程ならびに現段階の成果と課題を明らかにすることにあった。このプロジェクトは、跡地の7割を農地とし、残りの3割を公共用地として活用するという計画に基づいて進められてきた。このユニークな跡地開発計画は、旧地主会と行政の協力によって策定されたものであり、これまで沖縄における「内発的発展」の可能性を有する取り組みとして注目されてきた。しかし本研究を通じて、旧地主会内で農業中心の開発に対して意見の相違が生じるなど、同プロジェクトが多くの課題に直面していることが明らかになった。
|