研究課題/領域番号 |
15K03067
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
塩路 有子 阪南大学, 国際観光学部, 教授 (70351674)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英国 / フットパス / 地域振興 / Walkers are Welcomeタウン / 歩く / 観光 / 自然アクセス権 / パブリック概念 |
研究実績の概要 |
2017年8月5日から19日にかけて英国(スコットランド、北部イングランド、南西イングランド)で現地調査を実施した。スコットランドでは、ScotWayとRamblers Scotlandでインタビュー調査を行った。Walkers are Welcomeタウンと活動メンバーへの聞き取り調査は、スコットランドのキスサイス、メルローズ、モッファット、ニュートン・スチュワート、イングランド北部のオトレイ、バーレイ、ベイルドン等、イングランド南西部のウィンチコムで実施した。スコットランドとイングランドでは、フットパスに関わる法的規制や行政の取り組みが異なる点があり、スコットランドではWaW活動に地主である農家が参加するケースがあるという点が明らかになった。さらにイングランド北部と南部ではWaW活動を展開しているコミュニティや人々に意識の違いがあることも明らかになった。 また、スコットランドと自然アクセス権が類似しているフィンランドの状況を文献調査した。英国での調査結果は、2018年度に大学紀要に投稿するため執筆中である。さらにそれらの知見は英語書籍(印刷中)に反映して執筆した。 2017年度までの調査結果をふまえて、2017年5月17日に神戸大学で開催された日本文化人類学会第51回大会において「英国のパブリック・フットパスと地域活性化活動:文化遺産をめぐる文化・社会的環境の構築」という題で発表を行った。さらに、2017年度の調査結果を加えて、2018年3月18日に開催された北海道大学観光学高等研究センターの「第6回 観光創造研究会」で「歩く滞在交流型観光の新展開」の研究会テーマのもとで、「英国のフットパスと地域活性化:Walkers are Welcome タウンの活動」という題で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の内容としては、本研究の調査拠点であるウィンチコムで追加調査を行うことができ、調査範囲をスコットランドとイングランド北部に広げることができた点でウィンチコムの位置づけや英国内での比較がさらに可能になった。日本文化人類学会や北海道大学観光学高等研究センターで発表し、他の研究者やフットパス関係者などと意見交換ができ、英国における「パブリック」概念を考察する上で意義があった。しかし、10月に開催されたWaW協会の10周年集会には学務により渡英参加できなかったため、WaW協会の全体的な姿勢や今後の方針については引き続き、聞き取り調査を実施する必要がある。以上のような理由で、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は、英国のなかでまだ調査が不十分なウェールズにおけるWalkers are Welcomeタウンの活動について研究調査を進めていく。さらに、11月に開催される日本フットパス協会全国大会においてこれまでの知見を発表し、英国と日本におけるフットパスと地域活性化のあり方との比較を行う予定である。本研究の日本における位置づけや意義を確認するとともに、理論的枠組みについて考えていきたい。さらに、フィンランドなどの北欧をはじめとした研究成果の英国以外の応用地域と理論的な可能性について検討を続ける予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 「人件費、謝金」と「物品費」が当初予定していたよりも少なくなったため。 (使用計画) 次年度使用額については、本年度「旅費」または「その他」において使用する予定である。
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