2018年8月27日から9月4日の予定で、ハワイ州のモロカイ島およびオアフ島のヘエイア地区において保全活動が展開されているフィッシュポンド(伝統的な養殖池)やタロイモ畑の視察、現地関係者への聞き取り、民間団体の情報収集を行った。また、現地の大学書店やネイティブ・ブック書店で、日本では入手困難な書籍・文献資料の収集に努めた。加えて、9月2日にイオラニ宮殿の敷地で開催された第12回オニパア(リリウオカラニ女王の誕生日を祝う行事)のセレモニーやイベントの参与観察を行った。以上の調査により、環境保護運動、文化復興運動とハワイ人の主権運動との間に強い関係性があることが確認できた。(なお、台風21号による関西国際空港の閉鎖と北海道胆振東部地震により、本務校への帰還は9月8日となった。) 2019年2月16日から21日にかけて、ハワイ州カウアイ島において、ハワイ文化フェスティバル調査のため、ワイメア・タウン・セレブレーションの参与観察を行った。カウアイ島の王族の歴史について物語るフラを用いた演劇を観ることで、ハワイ諸島には島毎に多様な歴史観があることが分かった。また、カウアイ博物館の見学でハワイ州におけるカウアイ島とニイハウ島の特殊性を確認することができた。さらに、フィッシュポンドや復旧中の遺跡公園(カーネイオロウマ・ヘイアウ)の見学を行い、伝統文化の保存活動がハワイ社会における先住ハワイ人の可視性を高めていることを確認した。
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