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2016 年度 実施状況報告書

ローカル商品をめぐる多元的な語り―博物館学芸員による市民参加型の民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03072
研究機関新潟県立歴史博物館

研究代表者

大楽 和正  新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (20526959)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード博物館 / 市民参加 / 年中行事 / スーパーマーケット / ローカル / 民俗学
研究実績の概要

本研究は特定の商品がローカルに流通し、消費されていく現象を明らかにするため、スーパーマーケットの新聞折り込み広告チラシの比較分析を行い、それを媒介とした調査者・販売者・消費者の対話の中から多元的な語りを引き出し、対象へと接近するものである。海藻のエゴ食文化に強い関心をもつ博物館利用者がおり、今年度はエゴを中心に分析を進めた。平成27年度の広告チラシへに掲載されたお盆商品を分析した結果、盆の準備開始に合わせ8月6日にお盆商品の掲載がはじまり、13日に各店で特集の紙面を組む傾向にあった。この中でエゴが多く登場するのは13日で、すべて既製品のエゴである。チラシに掲載されるエゴの多くは、酢味噌付きで、パッケージを開封して切るだけで手軽に食べられる既製品のみである。海藻の状態のエゴ草がチラシに掲載されることはない。その意味において、エゴ食文化は持続しつつも、エゴ練りといった調理する文化は衰退に向かっていることをあらわしている。
また、長岡市のエゴ生産加工業者に聞き取り調査を行ったところ、通常の黒色のエゴに加え、白くさらしたエゴを盆の時期のみ生産していることが明らかとなった。この白色のエゴは小千谷市及び十日町市限定で販売されており、生産加工業者が地域の年中行事や食文化のニーズに合わせて、戦略的に販売していることが明らかとなった。
そのほか、博物館ボランティアや博物館友の会会員とともに、エゴ食文化が広がる長野県や石川県で調査を実施し、各地の食文化やエゴ草の流通経路等を把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ローカル商品の消費者に加え、生産者への聞き取り調査を進めることができた。

今後の研究の推進方策

スーパーマーケット関係者への聞き取り調査を進めるとともに、全県的なチラシの収集と分析を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エゴ食文化にみる越後と北信地域2016

    • 著者名/発表者名
      大楽和正
    • 学会等名
      地方史研究協議会第67回妙高大会
    • 発表場所
      妙高市新井ふれあい開館
    • 年月日
      2016-10-15

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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