リーガル・プロセス学派がもたらした、諸機関の相互作用の連鎖として法を観念した上で、各機関の制度的適性を見極めることでそれぞれに相応しい法形成作用を割り当てようとの考え方は、現代アメリカの法律家・法学者の思考枠組みとして定着している。議会は政策形成の府として期待されるが、利益政治に対する脆弱さは採択されるルールに歪みと偏りをもたらし得る。司法部にはオープンな討議を継続していくプロセスの維持という役割が割り当てられるが、これは実体的価値が分裂し、特定の価値をめぐって政治的・社会的な合意を直接に調達することが困難な状況において、なお可能な法的議論を追求する試みと言える。
|