研究実績の概要 |
「研究倫理と臨床倫理の概念的・質的区分とその構造的連関についての理論的研究」に関して,前年度から引き続き継続して探求を深める。その研究の一部は,学内紀要に英文で"Between Clinical and Research Ethics" として発表した。 「研究倫理と臨床倫理の法制度化についての比較法的・実証的研究」に関しては,2016年6月インドネシアで開催された International Academic Conference on Social Sciences and Management に出席し,分科会での議論と参加者へのインタビューから情報収集を行った。また,2016年7月に実施したフランスへの調査によってles Centres d'etude et de conservation des oeufs et du sperme humains (CECOS)から情報を得た。 「倫理規範における"practice"の位置づけについての比較法的・実証的研究」に関しては,同じくフランスの実務から情報を得ると共に,英米圏に特色あるpracticeとしての代理出産について研究を進め,「倫理の法制度化-----日本における「代理母」問題を素材にして」(角田猛之・市原靖久・亀本洋編著『法理論をめぐる現代的諸問題』(晃洋書房,2016)所収)として発表した。 「我が国における臨床倫理と研究倫理の適正な関係の究明と臨床倫理の再構築」に関しては,現在委員となっている倫理委員会(京都大学特定認定再生医療等委員会および医の倫理委員会)での審査と議論を手がかりに探究を進めた。
|