研究課題
本研究計画最終年度に当たる本年度はまず、これまでに引き続き研究対象史料である山田作之助文書(以下「山田文書」と略)の整理・分類作業、及び目録完成に向けて、研究補助者の助力も得ながら全力を挙げた。その結果、前者はほぼ完了し、また後者についても概要はほぼ完成、細目録についても概ねその完成をみた。これらの作業を前提に、2018年3月17日付で「山田文書」は神戸学院大学に正式に受け入れられ、併せて調印式の実施に漕ぎ着けることが出来た。同時に、外部の研究者や「山田文書」に様々なかたちで関わった地域住民を招いての研究会も開催した。研究会ではメンバー数名がこれまでの研究成果について報告を行い、多くの有意義な意見を得て活発に議論を交わすことが出来た。 なおこれに先立って、本研究で得られた知見を広く提供するべく、地元・神戸にとってきわめて重要な法律家である山田を広く地域住民に紹介する企画展示も所蔵先の神戸学院大学で実施し、展示に合わせてパンフレットも作成・配布した。展示期間中は、大学関係者はもとより多くの見学者に恵まれ、研究成果を発信し、理解を得るための良い機会となり、今後この文書を活用していく上での基礎作りに視することが出来た。また「山田文書」に含まれる、とりわけ訴訟資料の公開・提供にあたってのガイドラインについても、民事判決原本データベース(国際日本文化研究センター)等を参考に、メンバーで慎重な検討を重ねた。本史料を重要な学問基盤として提供する上では、ほぼ完成した目録とともに公開が最終的な目的であり、そのための土台作りは本研究期間内で達成出来たと言えよう。今後はこの土台を活かして本格的な公開・利用を推進することとなろう。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
福岡土地家屋調査士会々報 ふくおか
巻: 123 ページ: 4-5
別冊ジュリスト 民法判例百選III〔第2版〕
巻: 別巻 ページ: 198-199