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2015 年度 実施状況報告書

客観法としての表現の自由の理論的構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K03102
研究機関東京大学

研究代表者

宍戸 常寿  東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20292815)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード憲法 / 表現の自由 / 知る権利
研究実績の概要

本研究の初年次に当たる平成27年度は、ドイツ・アメリカにおけるコミュニケーションの自由、とりわけ放送・インターネットの自由について文献収集・研究を進めた。ドイツについてはテレコミュニケーション法がテロ対策を含めて頻繁に改正され、また連邦憲法裁判所が憲法判断を示していることを中心に研究を深めた。アメリカについては、Harvard Law Review127巻8号の特集”Reflections on the First Amendment and the Information Economy”を中心的な素材として、従来の表現の自由の法理のインターネットによる変容について研究を深めた。
また、ジャーナリズムのあり方やインターネット上の表現を中心として、日本における表現空間の現実的課題について研究を深めた。とりわけマスメディアの取材・報道のあり方がSNSによりどのような影響を受けているかについて未公刊裁判例を含めて調査し、それがジャーナリズムを前提にしてきたメディアの法理にどのような変容を迫るかについて、自らの考えをまとめた。インターネットにおける名誉毀損・プライバシー侵害の法理について、従来の表現の自由の法理との関係を、前記アメリカ法の研究も考慮しつつ自らの考えをまとめるとともに、EU裁判所の判例以来注目を集めている「忘れられる権利」と我が国裁判例における検索結果の削除の異同について研究した。
さらに、2015年10月に開催された全国憲法研究会秋期総会、日本公法学会総会に参加し、本研究に関する報告や質疑に参加したほか、各省庁の研究会、研究分担者として加わっている他の研究プロジェクトも含めて、様々な機会を捉えて情報法に関わる研究者・政府関係者・実務家との情報交換を通じて、有益な示唆を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ドイツ・アメリカにおけるコミュニケーションの自由について資料収集が進み、研究成果の公表に向けて準備が進んでいる。日本における表現空間の現実的課題については、発表文献一覧にあるとおり、ジャーナリズム、名誉毀損、プライバシー(いわゆる忘れられる権利を含む)などについて、逐次論文等の形で公表されている。

今後の研究の推進方策

引き続きドイツ・アメリカにおけるコミュニケーションの自由、とりわけ通信の自由・通信の秘密について文献収集・研究を進めるとともに、日本における放送・通信分野における表現の自由のあり方について研究を深める。情報法に関わる実務家等との情報交換を積極的に進めることも、引き続き行う。得られた研究成果は、個別の論文の形で逐次公表する。

次年度使用額が生じた理由

購入予定の図書の出版が遅れているため。

次年度使用額の使用計画

物品費として研究資料の購入に充てる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 2015年マスコミ関係判例回顧2016

    • 著者名/発表者名
      宍戸常寿
    • 雑誌名

      新聞研究

      巻: 775 ページ: 58-63

  • [雑誌論文] 「自由・プライバシー」と安全・安心2015

    • 著者名/発表者名
      宍戸常寿
    • 雑誌名

      国際人権

      巻: 26 ページ: 24-29

  • [雑誌論文] インターネット上の名誉毀損・プライバシー侵害2015

    • 著者名/発表者名
      宍戸常寿
    • 雑誌名

      松井茂記=鈴木秀美=山口いつ子(編)『インターネット法』

      巻: なし ページ: 53-89

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ジャーナリズム2015

    • 著者名/発表者名
      宍戸常寿
    • 雑誌名

      佐々木弘通=宍戸常寿(編)『現代社会と憲法学』

      巻: なし ページ: 1-16

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公開日: 2017-01-06  

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