研究課題/領域番号 |
15K03104
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中西 優美子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (80327981)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | EU法 |
研究実績の概要 |
夏休みや春休みを利用して、EU法の研究者のみならず、憲法、行政法、環境法、国際法の研究者等を意見交換を行い、海外調査をし、同時に、国際シンポジウムで発表を精力的に行った。それと並行して、文献を収集し、分析し、その成果を論文として随時公表してきている。 具体的には、8月に、海外出張し、ドイツ・ミュンスター大学を拠点として、ドイツ・ミュンヘン大学、ドイツ・パッサウ大学も訪問し、EU法およびEU関連法の研究者と意見交換を行った。10月には、ドイツ国家法学会に参加し、公法研究者と意見貢献を行った。2016年3月の海外出張では、ドイツ・ミュンスター大学を拠点として、ミュンヘン大学、パッサウ大学のほか、ベルギーのルーバンカトリック大学およびオランダのマーストリヒト大学の研究者と意見交換を行った。 2015年度に行った国際シンポジウムにおける英語による発表としては、以下の5つが挙げられる。①10月30日に、ドイツ・トリア大学で行われた国際環境法シンポジウムにおいて、「EU環境法が日本に与えた影響について」講演を行った。②11月6日、一橋大学で開催したEUSIの国際シンポジウムにおいて「化学物質分野におけるEU環境法が日本に与えた影響」について講演を行った。また、③12月10日に一橋大学で開催したEUSIの国際シンポジウムにおいて、「EUと日本におけるFTA」について講演を行った。さらに、④1月15日に一橋大学で開催したEUSIの国際シンポジウムで「法的観点からみたEU経済通貨同盟」について講演を行った。加えて、⑤3月14日には、ベルギーのブリュッセルでルーバン・カトリック大学主催の国際シンポジウムで「EUとアジアにおける多辺的な基本権保障」について講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通り、ヨーロッパの複数の大学の研究者と意見交換を行い、国際シンポジウムで英語での発表を精力的に行った。また、文献を収集し、それらを分析し、一部はすでに公表し、他のものは、今後随時公表していく予定である。 計画以上に進展している点は、国際シンポジウムに招聘される機会が増えてきたことである。過去、シンポジウムで知り合った研究者からシンポジウムの参加を呼びかけられたり、あるいは、インターネット等での公表成果物等を見て、直接的に知らない研究者から国際シンポジウムに招聘されるようになってきた。また、研究者間の単なる意見交換から、さらなる国際シンポジウムの開催や本の共同執筆など幅広い研究協力に広がっている。加えて、EUSIの活動を通じて、国際シンポジウムを一橋大学で3回主催した。 2015年度は、数多くの論文、判例研究、翻訳を公表することができた。特に、Yumiko Nakanishi (ed.)でContemporary Issues in Environmental Law- the EU and Japan, Springerを出版することができた。 また、中西優美子編でその日本語版、『EU環境法の最前線ー日本への示唆』を法律文化社から出版した。 また、一橋EU法研究会を設立し、月1回の研究会を開催している。その成果が、中西優美子責任編集の雑誌「EU法研究」(信山社)の創刊第1号として、発刊された。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、数多くの研究者と意見交換を行い、また、資料収集を行った。その成果を本の出版や論文の公表につなげていく。 また、平成28年度には、1月30日にヨーロッパやアジアから研究者を招聘し、約10人の研究者の報告の場を設ける、EUSIの国際シンポジウム「EUとアジアにおける基本権保障」を一橋大学で開催する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の英語校正費用を余裕をもって見積もっていたため。
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次年度使用額の使用計画 |
出張を予定しているため旅費の一部に充てる。
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