研究課題/領域番号 |
15K03104
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中西 優美子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (80327981)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | EU法 |
研究実績の概要 |
EU法研究者を含め、幅広く公法の研究者等と意見交換を行い、海外調査をした。また、国際シンポジムで発表するだけではなく、EUSIを通じて国際シンポジウムを一橋大学で開催した。さらに、それらと並行し、文献を収集し、分析し、その結果を論文として随時公表し、出版の準備を進めている。 具体的には、4月末から5月初めにかけて、ドイツのミュンスター大学を訪問し、EU法、国際法、環境法、ドイツ憲法の研究者と意見交換を行い、文献収集をした。10月には、パッサウ大学のChristoph Herrmann 先生およびアウグスブルク大学のWollenschlaeger先生と意見交換し、ミュンヘン大学で文献収集を行った。 また、4月21日~23日に台湾のTamkung大学における国際シンポジウム「EUの通商政策の新しい傾向」において基調講演(英語)を行った。その際、特にEU法研究者のChen-Rabish先生と意見交換をした。7月7~8日に台湾のAcademia SinicaとオランダのGroningen大学共催の国際シンポジウム「EUとアジアの貿易」において講演依頼(英語)を受け、研究者と意見交換を行った。11月4日DILA国際会議「国際環境紛争の解決と予防」において講演(英語)を行った。2017年1月30日には、EUSIのプロジェクトとして国際シンポジウム「ヨーロッパとアジアにおける人権問題」を主催し、講演(英語)を行った。同年3月17日~18日のキプロスのニコシア大学における国際シンポジウム「欧州人権条約とEU法」において講演(英語)を行った。 さらに、収集した文献を用いつつ、意見交換を通じ得た知識やアイデアに基づき、報告原稿及び論文を執筆し、公表してきた、また、随時論文または本として公表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通り、前年度と同様に、ヨーロッパ、そして今年度はそれに加えてアジアの複数の大学の研究者と意見交換を行い、国際シンポジウムで英語での発表を精力的に行った。また、文献を収集し、それらを分析し、一部はすでに公表し、他のものは、今後随時公表していく予定である。 計画以上に進展している点は、国際シンポジウムに招聘される機会が増えてきたことである。また、自らもCall for papersの呼びかけに応え、シンポジウムでの参加機会を増やしていることである。過去、シンポジウムで知り合った研究者からシンポジウムの参加を呼びかけられたり、あるいは、インターネット等での公表成果物等を見て、直接的に知らない研究者から国際シンポジウムに招聘されるようになってきた。今年度の台湾での国際シンポジウムのその例である。後者の例としては、キプロスでのニコシア大学での国際シンポジウムの報告が挙げられる。また、研究者間の単なる意見交換から、さらなる本の共同執筆など幅広い研究協力に広がっている。まだ出版されたもの、今後出版予定のものも含め、そのような形で依頼された論文を複数執筆した。さらに、前年度と同様にEUSIの活動を通じて、国際シンポジウムを一橋大学で開催した。 2016年度は、数多くの論文、判例研究を公表することができた。特に、雑誌『自治研究』においては、隔月で「EU法における先決裁定手続に関する研究」を連載してきた(継続中)。また、創設した一橋EU法研究会の研究会を原則月1回、開催した。その成果が、中西優美子責任編集の雑誌「EU法研究」(信山社)の創刊第2号として、発刊された。また、EUSIの国際シンポジウムの成果を本として出版する準備を現在行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は1月30日にヨーロッパとアジアから研究者を招聘し、EUSIの国際シンポジウム「ヨーロッパとアジアにおける人権問題」を開催した。平成29年度には、この成果を本として出版する予定(Springer社と交渉中)である。また、その後、翻訳をし、日本語版でも本として出版したいと考えている。 ヨーロッパの大学の研究者としての意見交換としては、9月中旬に日独憲法対話のシンポジウムに司会者の1人として参加することを予定している。 さらに、引き続き、『自治研究』における「EU法における先決裁定手続に関する研究」で判例研究を公表するとともに、10月に公法学会で「EUにおける法治主義」で報告が予定されている。その他、引き続き、文献取集と論文執筆、その公表を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本の費用を個人研究費から支出したため。
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次年度使用額の使用計画 |
本の出版を予定しており、その製本および購入費用にあてる。
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