研究課題
EU法を権限の観点から分析することで、複雑さを増しているEUの組織構造を明確化すること並びにEUと構成国間及びEUと他の構成国間との関係を明らかにすることを研究の目的とした。また、EUで現在生じている事項について、法的観点から分析した。具体的には、(1)EUと構成国との関係、(2)法治主義、(3)EU機関間の水平的な権限配分、(4)EUにおける基本権、(5)EUと第三国とのFTA/EPA、(6)Brexitに焦点を当てた。(1)については、EU司法裁判所と構成国の裁判所であるドイツ連邦憲法裁判所の裁判所間の対話を検討し、論文として公表した。また、国内裁判所がEU司法裁判所にEU法の解釈について質問する先決裁定続について、研究を深め、自治研究に公表してきている。公法学会において「EUにおける法治主義」について報告した。この際、EU司法裁判所の法治主義に関する判例を分析し、EUの法治主義の特徴を明らかにした。また、ポーランドなど東欧諸国で問題となっている法治主義の軽視についても検討した。(3)については、法治主義ともかかわるが、EU理事会と欧州委員会の権限配分にかかわる、委任行為と実施行為の研究を行い、論文として公表した。(4)EUにおける基本権については、28年度に開催した国際シンポジウムの結果を本(英語)として出版した。(5)については、EUが日本を含め第三国とFTA/EPAを交渉したり、あるいは締結したりしたことを踏まえ、それにかかわる判例や条約条文の分析をした。今後、その成果を公表していく。(6)については、イギリスがEUから脱退を決定し、EU条約50条に従って、脱退協定の交渉がなされている。その交渉の動きを原資料を用いてフォローしている。
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in Yumiko Nakanishi (ed.), Contemporary Issues in Human Rights Law, Springer
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