憲法規範が立法・行政・司法作用を通じ、「社会的なもの」、憲法上の権利侵害等を争う当事者や支援者、法律家の積極的関与のもとに具体化していく過程を、憲法25条生存権と生活保護法との関係に焦点を当てて研究してきた。憲法規範具体化過程を通じて、憲法規範が個々の法律や処分によって具体的なものとして実現されるということは、抽象的権利に過ぎないと解されている権利も、最終的には個々の国民の具体的な権利や利益として確定されることになる。つまり、憲法を具体化する法令は、一見曖昧に見える場合であっても、憲法の趣旨を踏まえて体系的に解釈することにより、具体的かつ明確な意味内容、規範を持つものとして解釈され得る。
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