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2017 年度 実績報告書

団体規制法と結社の自由:憲法原理を踏まえた体系構築に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 15K03113
研究機関九州大学

研究代表者

井上 武史  九州大学, 法学研究院, 准教授 (40432405)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード憲法学 / 結社の自由 / 団体規制法 / 非営利団体法 / 宗教団体
研究実績の概要

最終年度である平成30年度は、本研究課題の目的である、結社の自由という憲法原理を踏まえた団体規制法の体系構築作業の一環として、宗教団体規制の日仏比較を行った。
フランスでは裁判所が宣告する司法的解散制度と並んで、行政が宣告する行政的解散制度が存在している。行政的解散制度は伝統的には暴力的団体に適用されてきたが、2015年パリ同時多発テロ事件以後は、テロとの関連性からイスラム原理主義団体への適用が多数みられる。しかしその適用事例を見ると、行政による拡大解釈による解散例が見られる一方で、行政裁判所であるコンセイユ・デタが事後的に違法と判断している例があり、規制とその統制のあり方について特徴ある動きを見せていることが明らかになった。
日本でも団体規制法として破壊活動防止法による解散指定制度があるが、いまだ適用された例はない。むしろ日本の憲法学では、違憲論が根強く主張されている。しかし、フランス団体規制法と比べると、日本の団体規制の度合いが特段に強いという訳ではなく、むしろ破防法の解散指定要件の方が厳格であり、だからこそ適用が難しいのではないかという認識に至った。そこで本研究では、フランス法の知見に照らして、日本の団体規制法を批判的に見直し、その合理化のための視座を示しただけでなく、具体的な論点についての検討も行った。
また、団体規制の必要は緊急事態において増大する。この点についても、パリ同時多発テロ事件以後に強化された緊急事態法による団体規制の内容と適用・運用を参考にすることにより、平時だけでなく、非常時を視野に入れた団体規制法のあり方を探ることができたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 宗教団体規制の日仏比較:緊急事態法制との関係も含めて2017

    • 著者名/発表者名
      井上武史
    • 雑誌名

      宗教法

      巻: 36 ページ: 23,40

  • [雑誌論文] 千葉県議会議員定数条例の憲法適合性2017

    • 著者名/発表者名
      井上武史
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 153巻4号 ページ: 102,106

  • [図書] 憲法判例の射程2017

    • 著者名/発表者名
      横大道 聡
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      9784335357060
  • [図書] 社会変動と人権の現代的保障2017

    • 著者名/発表者名
      辻村 みよ子、糠塚 康江、建石 真公子、大津 浩、曽我部 真裕
    • 総ページ数
      380
    • 出版者
      信山社出版
    • ISBN
      9784797212426

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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