安全保障法学を我が国の公法学の一分野として確立させるための予備的考察を行った。日本国憲法を基本に安全保障を法学的視点からいかなる事項や論点を設定してどのように考察すべきかを考え、そのモデルとして、アメリカの安全保障法学の体系を研究した。アメリカ安全保障法学の現代的位相を示しながら、それが何を重要な論点とし、どのように論じてきたか、そして論じているか。とりわけ9.11以降の対テロの構造で国土安全保障という概念が成熟し移民法やインテリジェンスの関心が高まり、法のケアーが発展している。これらの領域を含め、アメリカでは安全保障が法を基軸として冷静に議論されているのを示した。
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