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2017 年度 実績報告書

「担い手育成・確保」を目指した公共調達法制の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03120
研究機関上智大学

研究代表者

楠 茂樹  上智大学, 法学研究科, 教授 (70324598)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード入札 / 担い手 / 談合 / 競争
研究実績の概要

平成29年度においては、主として成果の公表に向けた活動を行った。「担い手育成・確保」に向けた契約方式の選択は、安易に従来型の地元企業保護、地域振興の選択となりやすく、真に優良な業者の選別と成長を促す仕組みづくりが課題となる。総合評価方式はこれを実現するための一つの解決策であることは、国土交通省等の取り組みにおいてもすでに実践段階に至っていることからも明らかであるが、その他に東京都における地元小規模企業を含むJV(共同事業体)義務付けも検討対象としたが、これについてはその実態やヒアリング等から少なくとも「担い手育成・確保」の観点からは効果に疑問があるという結論に至った。
「担い手育成・確保」は競争政策と産業政策の交錯そのものであり、前者の見地からは総合評価の枠組みを利用することでその要請が満たされることから、競争単位を減少させるJV、入札参加資格の絞り込みに比較上優れている。ただ、ただでさえ複雑化し、そのハンドリングが発注者にとって負担となっている総合評価方式に解決策を求めるのは、その他の総合評価方式が担っている要請との関係の整理が必要である。
なお、国土交通省等各発注機関は、働き方改革と公共契約をリンクさせる取り組みを「担い手育成・確保」という公共工事品質確保法の要請の一環として捉えるようになってきており、政策間の調整問題は現在進行形の課題となっている。
具体的な研究上の成果として、自著『公共調達と競争政策の法的構造」の改訂版を平成29年11月に上梓した。実務上の貢献として、研究代表者が参加している各種公共契約関連の委員会等での発言や、自らが講師を務める国土交通大学校の研修等にその成果を反映させた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 最近における入札談合事件をめぐって2018

    • 著者名/発表者名
      楠茂樹
    • 雑誌名

      公正取引

      巻: 809 ページ: 2-8

  • [雑誌論文] 公共調達改革の諸論点 : 東京都のケース2017

    • 著者名/発表者名
      楠茂樹
    • 雑誌名

      上智法学論集

      巻: 61(1・2) ページ: 77-101

  • [図書] 公共調達と競争政策の法的構造(第2版)2017

    • 著者名/発表者名
      楠茂樹
    • 総ページ数
      239
    • 出版者
      ぎょうせい
    • ISBN
      4324103305

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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