研究課題/領域番号 |
15K03125
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
近藤 敦 名城大学, 法学部, 教授 (30215446)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 国際人権 / 統合 / 永住許可 / 複数国籍 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、永住許可制度および国籍制度の比較について、国際人権規範の影響を受けた諸外国の人権規範に関する憲法学説・判例・法制度を検討した。とりわけ、永住許可制度における「統合」要件、複数国籍の問題について考察した。 また、昨年度の差別禁止法制の問題についての積み残しの研究や、翌年度の政治参加や、翌々年度の家族呼び寄せ制度の研究も一部先取り的に行った。 これらの成果は、論文「移民統合政策指数(MIPEX)における欧米韓日の比較」『法律時報』89巻4号、「ヘイトスピーチ規制の課題と展望」『移民政策研究』9号、「地方参政権と外国人」『都市問題』108号、「移民統合政策指数にみる日本の多文化共生政策の課題と展望」『名城大学総合研究所紀要』23号、「日本人の配偶者の活動要件と在留特別許可のガイドラインにみる比例原則」『判例評論』703号、「日本における多文化家族支援政策のあり方」(『国際結婚と多文化共生』明石書店所収)、「永住と国籍取得」(『移民政策のフロンティア』明石書店所収)などにより公表した。 いわゆるヘイトスピーチ解消法や規制条例が制定されたり、世田谷区で男女共同参画と多文化共生を併せた条例が制定されるなど実務への研究の成果の反映がみられる。また、日本人との内縁関係にある外国人の退去強制と日本人への不法滞在の幇助に関する訴訟、チャーター便による難民申請者の退去強制に関する国賠訴訟などの裁判所への意見書を作成し、日本弁護士連合会や神奈川県弁護士会で講演を行った。さらに、安城市、可児市などの多文化共生推進プランの作成に協力するなど、学会活動だけにとどまらず、本研究成果の社会的還元を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調であるが、複数国籍についての研究が残っており、この点も引き続き行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
30年度は、教育制度および政治参加制度について、国際人権規範の影響を受けた諸外国の人権規範に関する憲法学説・判例・法制度を検討する予定である。ただし、複数国籍についての研究が残っており、この点も引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
永住許可と国籍制度に関する研究の積み残しが発生したため。
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