環境行政決定が社会で機能するには、決定過程の参加者が決定を受容しなければならない。オーストラリア・イギリス・アメリカでは、参加者による決定受容について議論され、受容を容易化するために、制定法及び実務においても様々な工夫がなされている。わが国と同様に、適正手続の適用が参加手続に認められているわけではないため、参加手続の適正化の内容が統一的包括的に議論されてはいない。以上の一般的状況を踏まえ、本研究では、手続適正化の要請が個人の尊厳に求められてきたのは決定受容の容易化のためであることを確認し、環境行政決定過程への参加者による決定受容を容易化するための手続的公正の内容の一端を明らかにした。
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