本研究の目的は、近時、特に「人権の主流化」として知られる国際法学における人権中心思考の基礎と展開を明らかにすることであった。伝統的には国家間法として性格づけられる国際法において、それとむしろ対立的な人権の論理を調和的に埋め込み、また、人権中心思考の限界も提示することで、構想を確かなものにしようとした。 「国際法における人権基底的思考の背景と展開」『国際人権』第27号(2016年)や「国際人権条約の解釈をめぐる一考察」『国際法外交雑誌』119巻4号(2021年)が主たる公表業績である。また、第6回アジア国際学会研究大会(2017年8月25-26日)で報告するなど、海外発信にも努めた。
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