研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、ルクセンブルクを中心に研究を進めた。ルクセンブルク大学法学部及びルクセンブルクに所在するマックス・プランク国際手続法研究所を訪問し、現地の国際法・刑法・憲法・EU法研究者と意見交換をすると共に、ルクセンブルク法に関する資料収集を行った。とりわけ、Annales du droit luxembourgeoisに掲載された, Chronique: La pratique luxembourgeoise en matiere de droit international publicの存在を知り、それを起点に資料収集を進めることができたのは大きな収穫であった。
当初から予想されたことではあるが、資料収集に極めて時間がかかっており、いまだ本格的な分析に入る段階には到達していない。しかし、世界的に見てもほとんど研究の存在しないこの分野においては、資料を体系的に収集し、それを整理することだけでも一定の意義のあることであり、今年度も資料収集と整理に注力することとなった。現時点において、ルクセンブルクに関する限り、資料収集はほぼ満足できる水準にまで到達したと考えている。
ベルギー・スイスについては、ベルギーの破毀院・憲法裁判所(仲裁院)、スイスの連邦裁判所に関する限りある程度過去に遡っての資料収集も進んでおり、ほぼ終了したと言える段階に到達している。下級審については、二次資料に依存するところが少なくなく、現時点においては必ずしも収集が十分ではない。ルクセンブルク訪問の機会を捉えてベルギーを訪問し専門家と意見交換をするほか、スイスの専門家とも適宜連絡を取って、協力を得つつ資料収集に当たっている。
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