研究課題
国内・国外研究者へのインタビュー調査と意見交換としては、現在ある保安処分的な法制度の現実、刑罰論との関係、社会復帰促進の理念と自由の拘束の在り方等を中心に、刑事政策研究者に聞き取り調査および意見を求めた。海外での保安処分に関する実態調査に関しては、まずフィンランドについて、同国でも保安処分制度は実施されているようであるが、不明な点が多かったので、12月にヘルシンキ大学とラップランド大学を訪れ、簡単なインタビューを行い、予備調査を行った。また、7月にはドイツ・アウグスブルク大学での保安監置に関するシンポジウムに参加し、情報を交換した。さらに5月、7月、9月にはドイツの刑事施設を訪問し、実態調査を行うことができた。なお、トルコについては9月にシンポジウムを予定していたが、6月に政情が不安定になり、報告者が出国できなくなり、中止せざるを得なかった。研究会等での報告 2月に北海道大学刑事法研究会で「ドイツにおける社会治療の現状」と題する報告を行い、フィードバックを行った。また、11月に犯罪社会学会で「ドイツにおける被虐待児への対応と虐待者である親との関係について」と題する報告を行った。成果論文として、被害者教育に関する論文、ドイツでの母子処遇に関する論文、反社会的な団体およびその構成員に対する刑法の対応に関する論文、危険な犯罪者に対する処遇に関する論文(原稿提出済)、ドイツでの女子処遇に関する論文の翻訳、ドイツでの保安処分に関する論文の翻訳を公表した。
3: やや遅れている
1 日本の刑事施設での調査が実施できていない。2 トルコでの刑事政策についてのシンポジウムを9月に予定していたが、研究者の出国がトルコ政府により禁止され、開催が不可能になった。また、こちらからの訪問調査も治安の悪化に伴い実施不可能となっている。
1 日本の刑務所での調査を実施する。調査項目は、改善指導の実施状況の調査に重点を置く。これについてはすでに札幌管区の担当者とコンタクトを取っている。2 フィンランドについては本年度中にもう一度訪問調査を行う。3 トルコでの実施調査については現在検討中であるが、実施可能であるかは不明確である。
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Johannes Kaspar (hrsg.), Sicherungsverwahrung 2.0? - Bestandsaufnahme ? Reformbedarf - Forschungsperspektiven
巻: 1 ページ: 269-278
刑政
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