| 研究課題/領域番号 |
15K03169
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| 研究機関 | 一橋大学 |
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研究代表者 |
王 雲海 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30240568)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 中国の死刑制度 / 法律的死刑 / 政治的死刑 / 文化的死刑 / 死刑冤罪 / 死刑の再審 / 死刑廃止論 / 死刑存置論 |
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| 研究実績の概要 |
平成27年度においては、ほぼ当初の研究計画のとおりに研究を実施し、大きな研究成果をあげることができた。具体的に言えば、中国に行って調査やインタビューなどの方法を通じて、まだ公表されていない中国での死刑適用の状況を個別のケースの分析を通じて把握し、その変化の背景も公開された政府の文献などを通じて科学的に検証し、上海市、海南島、北京でのいくつかの死刑判決を取り上げて、その適用基準の比較を行った。そのうえ、中国で展開されている司法改革、司法改革の重要な一環としての死刑制度の改革（刑事実体法方面からの改革、刑事手続法方面からの改革、司法適用上の適用基準の改革）を詳しく整理、追跡し、改革の動機、実態及びその効果を詳細的に分析し、独自な視点で評価を加えて、その行方を示した。
また、中国国内での調査、研究を実施すると同時に、日本国内での死刑研究者と連携し、その研究成果を十分に取り入れると同時に、欧米での中国死刑研究の研究者とも協力して、欧米（特に米国）における中国死刑研究の現状をも把握し、自分の研究と欧米での研究の連動を図って、欧米での研究者との協力関係をも作って、欧米での自分の研究の影響力を強化し、研究の国際性・グロバール化を高めることができた。
以上のような研究成果を、中国の死刑制度に関する従来の自分の研究とリンクさせて、それらを一層発展させたうえで、日本国内や中国国内だけでなく、欧米に向けて英語での発信を心がけてきた。その結果として、英文での論文を数本完成、発表し、うちの1本は米国の一流出版社から発表されたもので、欧米に向けて本研究の成果を大いにアピールし、欧米での研究に大きな影響を及ぼすことができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
死刑に関する資料を国家秘密として公表していない中国の事情に関して、当初は本研究でその死刑適用事態を明らかにすることはきわめて難しいかと予測していたが、しかし、これまで遂行した研究のなかで、事例調査やインタビューを通じて予想以上に死刑適用の実態に迫ることができた。そのうえ、公表された政府の文献からも死刑適用の動機、傾向、改革の動きを当初より詳細に分析、把握することができた。
特に、以上のような研究成果を随時に英語での論文などを通じて、中国国内と日本国内だけでなく、欧米に向けても発信することができ、中国の死刑制度にする世界レベルでの研究に一石を動じることができて、日本での研究レベルの国際性・グローバル性を予想以上に示すことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画の通りに以下の次の三つの側面を中心に研究を展開していく。
まず、中国での死刑冤罪の実態とその構造を調査などの方法を通じて明らかにして、日本や欧米でのそれと比較していく。
次に、大量違法資金の収集などの経済犯罪についてかつての死刑適用の状況、適用における政治性の影響、経済犯罪の死刑適用をめぐっての動向を、個別の事件の調査、分析を通じて明らかにして、中国での死刑適用の特徴を究明する。
最後に、死刑適用の手続きについても研究を展開し、死刑適用の手続き上の実態という新たな視点をもって研究を展開していく。
以上のような研究を遂行した上で、日本語、中国だけでなく、英文の論文も書いて、世界に向けて本研究の成果を発信する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額として42,395円が生じたが、その理由として本来購入予定の英文の本は年度内で出版されなかったためである。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成28年度では、次年度使用額を当初の予定通りに英文の本等の資料の購入に使う。
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