これまでの研究成果として明らかとなった,起訴・審判の過程において適切に刑事実体法を実現するために必要となる実体法と手続法の「連結」の条件とその理論的枠組みを踏まえ,その応用に際しての課題を抽出し発展的に検討した.具体的には,①実質的に一連の行為からなる,又は複数主体が関わる過失犯について,行為の危険性と注意義務の内容を適切に捉える方途(背景事情としての「下絵」の設定)の具体的応用に関わる諸問題を検討した.②それを刑事て通d気に適切に反映させるうえでの現実的課題を検討した.とりわけ,「訴因」の記載と,その背景的事実との関係等,事実認定プロセスにおける「下絵」の位置づけを明らかにすることに努めた.
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