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2017 年度 実績報告書

消費者契約法のフロンティア

研究課題

研究課題/領域番号 15K03194
研究機関一橋大学

研究代表者

角田 美穂子  一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (10316903)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード証券取引所 / プラットフォーム提供者 / ロボット法 / AIと法 / 民法改正 / 投資家保護
研究実績の概要

民法改正と投資家保護法理の研究に加えて、ロボット・AIという科学技術がもたらす新たな法的課題に取り組んだ。民法改正については、定型約款、法律行為、賃貸借、委任などのサービス契約の法的規律について解説と今後の課題を検討した。投資家保護についてはプロ顧客の法的保護を扱った最高裁判決(最判平28・3・15)やロボアドバイザーがもたらす法的課題について検討を加えた。前者は、民事ルールとしての適合性原則の研究がもっぱらリテール顧客を対象としてきたのとは異なる局面について検討を加えるとともに、広義の適合性原則と金融商品販売法、信義則上の説明義務違反に基づく不法行為責任との関係について、見取り図を示したものである。
ロボット・AIと法に関する研究成果の中核は、ロボット工学者と共にホスト役となって、東大入試に挑むロボット開発を指揮してきた数学者、ロボット演劇の劇作家など多彩なゲストに迎えて行ったリレー鼎談を編んだ著書『ロボットと生きる社会――法はAIとどう付き合う?』(弘文堂、2018年1月)を刊行したことである。一連のリレー鼎談を通して得られた知見、とりわけプラットフォーマーの責任論という視点から、スマートフォンにインストールしていた電子マネーサービスの不正使用に関する高裁判決に検討を加えた。
証券取引所の電子取引システム障害により膨大な損失が発生した場合に、誰がどのような法的責任を負うのか―――日本で裁判になった事件がドイツで起きた場合の法的処理について、ドイツ人研究者と行ってきた国際共同研究"Haftung fuer Pflichtverletzungen von Boersen---Deutschland und Japan im Vergleich"を、2018年1月施行された法改正(MiFiD-II)に対応の上で刊行した(近く日本語版もNBL誌にて公表予定)。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] Max Planck Institute for Private Law/Max Planck Institute for Tax Law(Germany)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Max Planck Institute for Private Law/Max Planck Institute for Tax Law
  • [雑誌論文] 仕組債を運用対象金融資産とする信託契約を含む一連の取引を証券会社と顧客が締結した際に、証券会社に説明義務違反があったとは言えないとされた事例(最高裁判決平28・3・15判時2302号43頁)2018

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 2359 ページ: 171~178

  • [雑誌論文] プリペイド型電子マネーを登録したスマートフォン紛失に端を発する不正使用リスク分担2018

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      民事判例16 2017年後期

      巻: 16 ページ: 74~77

  • [雑誌論文] 委任2018

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      片山直也・潮見佳男・千葉恵美子・山野目章夫編『詳解 改正民法』(商事法務)図書所収論文

      巻: ― ページ: 518~525

  • [雑誌論文] Haftung fuer Pflichtverletzungen von Boersen2017

    • 著者名/発表者名
      Baum, Harald and Fleckner, Andreas Martin and Sumida, Mihoko
    • 雑誌名

      Max Planck Institute for Comparative & International Private Law Research Paper Series

      巻: No.17/22 ページ: 1-40

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ロボアドバイザーにおけるフィデューシャリーデューティの考え方2017

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 学会等名
      第1回金融資本市場のあり方に関する産官学フォーラム『ロボアドバイザー等の資産運用型FinTechサービスとフィデューシャリーデューティ』
    • 招待講演
  • [図書] ロボットと生きる社会2018

    • 著者名/発表者名
      角田 美穂子・工藤 俊亮編著、新井紀子、川口大司、小向太郎、森田果、平田オリザ、大崎貞和、望月衛、米村滋人
    • 総ページ数
      508
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      978-4-335-35718-3
  • [図書] 解説 民法(債権法)改正のポイント2017

    • 著者名/発表者名
      大村敦志・道垣内弘人編著、石川博康、大澤彩、加毛明、角田美穂子、筒井健夫、幡野弘樹、吉政知広
    • 総ページ数
      540
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      978-4-641-13735-6

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公開日: 2018-12-17  

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