本研究は、消費者契約法を取り巻く現代的課題のなかから、従来の理解にパラダイム転換を迫る要素を含んでいる2つの問題、すなわち、(1)適合性原則の新たな展開と(2)人の行為の機械化がもたらす法的課題に焦点を絞り、検討を加えた。 (1)については、投資信託の販売・勧誘をめぐるフィデューシャリーデューティとの関係やプロ顧客への適合性原則の適用に検討を加えた。(2)については、電子化した取引システムを提供する証券取引所の法的責任について国際共同研究をおこなったほか、ロボット工学者とタグを組んで、ロボットやAIといった技術が社会に浸透することによって引き起こされる法的課題と問題点の整理を行った。
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