研究課題/領域番号 |
15K03201
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
宮下 修一 静岡大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
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研究分担者 |
朱 曄 静岡大学, 法務研究科, 准教授 (30435945)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 民事法学 / 民法 / 消費者法 / 能力 / 意思能力 / 事理弁識能力 / 行為能力 / 責任能力 |
研究実績の概要 |
本年は、3か年計画の研究の初年度にあたるため、まず日本における議論状況、具体的には「意思能力」・「事理弁識能力」(行為能力)・「責任(弁識)能力」をめぐる議論状況の調査・把握を試みた。このうち、「意思能力」概念については、その分析をする過程で比較対象として検討が必要となった「適合性原則」に関する研究を深化させるとともに、その成果を複数の論文の形で公表するとともに、日本消費者法学会第8回大会シンポジウムで報告を行った。また、「事理弁識能力」に関連して、成年後見制度における監督のあり方について、研究会において発表を行うとともに、書籍において論文の形で公表した。 次に、韓国における「能力」概念を巡る議論状況については、研究協力者と電子メールを通して、あるいは日本に来日した際に面談して意見交換を行った。本来は、研究代表者の宮下が訪韓してさらに調査を行う予定であったが、宮下が大学を移籍することになった関係で、先方との日程調整が叶わず、次年度に実施することになった。 また、中国・台湾調査の準備についても、研究分担者の朱が現地の研究協力者とメールあるいは電話等でやりとりを行ったが、やはり研究代表者である宮下が大学を移籍することになった関係で具体的な訪問の日程調整が叶わず、次年度以降に実施することになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、わが国における議論状況の調査・把握を中心に行ったが、「研究実績の概要」で述べたように、研究代表者である宮下が、研究テーマに関連する業績を論文の形で公表するとともに、学会報告等も実施しており、この点では研究は順調に推移している。 もっとも、韓国・中国・台湾の調査実施については、「研究実績の概要」で述べたように、現地の研究協力者とさまざまな形で研究の方向性について意見交換を行っており、その意味で研究は着実に進展しつつあるが、研究代表者の宮下が大学を移籍することになった関係で、現地の訪問調査を行うための具体的な日程調整が叶わなかった。 以上の点を総合的に考慮した結果、研究は「おおむね順調に進展している」と評価することにした。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、本年度に実施したわが国における議論状況をさらに調査・分析し、研究成果の公表に向けたまとめの作業を行う。 また、本年度に日程調整が叶わず実現できなかった調査対象国・地域の現地調査を実施するための日程調整を進めるとともに、当該対象国・地域の研究者をわが国に招聘して意見交換を行う機会を設けるように準備を進める。 さらに、本年度ならびに次年度の成果をできるだけ早くまとめ、論文等の形で公表する。 以上の計画を遂行するために、研究年度2年目となる来年度早々に、研究代表者・研究分担者・連携研究者が一堂に会する研究会を開催し、今後の研究内容と具体的な研究計画を確認する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者である宮下が大学を移籍することになったため、海外調査ないし海外からの研究協力者の招聘等に際して、日程調整が叶わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者・研究分担者が海外の調査対象国を訪問し現地調査を行うとともに、海外の研究協力者をわが国に招聘するために使用する。
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