今般の民法(債権関係)改正につき、その立法段階における審議内容の問題点、疑問点を指摘するとともに、成立した改正法(平成29年6月2日法律第44号)についても、従来の判例法理や学説との間の整合性等につき、とくに物権法・不動産登記法との関連で検討を行った。 登記・登録請求権を保全するための債権者代位権を明文化した新設423条の7に関しては、同条の明文化の後の、従来の判例法理の「活滅」の問題を検討した。 また、賃借人による直接の妨害排除請求・返還請求を明文化した新設605条の4に関しても、債権者代位権に関する判例法理への影響のほか、賃借権に基づく妨害排除請求権に固有の論点につき検討を加えた。
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