①当事者適格というわが国独自の概念の形成過程の考察を踏まえ、ドイツの訴訟追行権概念だけで十分であるとする少数有力説を批判的に考察し、訴訟追行権概念と当事者適格概念の併用の意義を明らかにした。②法人でない社団の当事者適格をめぐる固有適格構成と訴訟担当構成のうち前者の多義的な形成過程を考察して一義的明確な概念構成の試論を述べ、かつ、法人でない社団を当事者とする訴訟の既判力のその構成員に及ぶことの可否と条文上の根拠につき私見を明らかにした。 ③人事訴訟・会社訴訟における再審原告適格に関して原訴訟の当事者適格を有する者しか再審原告適格を有しないとする判例の考え方を批判的に考察したものである。
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