研究課題/領域番号 |
15K03218
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
芳賀 雅顯 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (30287875)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 消費者団体訴訟 / 消費者ADR / EUのADR法制 |
研究実績の概要 |
ADRを含む日本の消費者紛争に関する状況についてドイツ語による論文の公刊を行い(1)、また、ヨーロッパでのADRの動向について、ドイツから研究者を招いて講演会を開き、その講演原稿を公刊することとなった(2)。さらに、ADRに関する下級審裁判例の判例評釈の公表(3)、そして、デジタル社会という側面からの民事紛争の国際裁判管轄についてドイツ語での講演を行った(4)。 (1)論説: ZZP International Bd. 20(2015)において、Verbraucherschutz in Japan vor dem Hintergrund von Massenschaedenを公表した(実際の刊行は2016年12月)。この論文では、日本の消費者団体訴訟制度の概要、および消費者ADRについて論じた。 (2)翻訳: ドイツ・パッサウ大学法学部ハウ教授による慶應義塾大学での講演会の報告原稿につき翻訳を行った。「民事訴訟における証明度」法学研究90巻2号(2017年)、「ヨーロッパ倒産法の改正について」法学研究90巻3号(2017年)、「代替的紛争解決に関する国際手続法上の基本問題」法学研究90巻4号(校了)の3本である。 (3)判例評釈: 仲裁人の選任に関する大阪地決平成27年3月17日判時2270号74頁について、JCAジャーナル63巻4号(2016)で評釈を行った。 (4)講演: 2016年10月3日に慶應義塾大学三田キャンパスで開催された、Keio-Saar Tageにおいて、Die internationale Zustaendigkeit bei Zivilrechtsstreitigkeiten in einer digitalisierten Gesellschaftと題するドイツ語の報告を行った。デジタル化社会における民事紛争について、日本の国際裁判管轄を論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の準備期間を経て、平成28年度は、ADRに関する論文、ヨーロッパADRの動向に関する翻訳、そして判例評釈の公刊を果たすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は研究の最終年度となるため、これまでの成果をまとめる作業を中心に行う。また、本研究によって見出されるであろう新たな研究課題の発見に努める。
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