研究成果の概要 |
本研究の対象は,先天性稀少疾患の早期発見・早期治療を目指す公衆衛生分野のプログラムである新生児スクリーニング(以下「NBS」と記す)である.新たな検査技術導入により近年日本でもその対象疾患が急増したが,本研究では従来十分検証されてこなかった拡大「NBS」をめぐる法的・倫理的課題を探った.具体的な分析対象は,(1)拡大「NBS」の効果と問題点,(2)「NBS」残余血液サンプルの目的外利用の是非,(3)「NBS」の対象拡大をめぐる政策決定プロセスと患者支援の在り方,の3つである.近年日本でも拡大された「NBS」という現実の政策における課題の掘り起こしを含め政策提言を目指した点が本研究の特色である.
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