研究課題/領域番号 |
15K03276
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小田川 大典 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (60284056)
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研究分担者 |
安武 真隆 関西大学, 政経学部, 教授 (00284472)
太田 義器 摂南大学, 外国語学部, 教授 (10277858) [辞退]
犬塚 元 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30313224)
遠藤 泰弘 松山大学, 法学部, 教授 (30374177)
石川 敬史 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40374178)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 政治学 / 思想史 / 代表制 / 二院制 / 連邦制 / 国民国家 / デモクラシー / 立憲主義 |
研究実績の概要 |
平成27(2015)年度は、研究計画に記した三つのうち、主に(b)政治思想史における制度論:系譜学的考察と(c)古典的政治思想家における制度論:歴史的考察に取り組んだ。主な成果は以下の四つに整理することができる。 ①政治思想学会(武蔵野大学、5月23日)のシンポジウム「秩序形成をめぐる意志と理性」の司会と報告のとりまとめを犬塚が担当した。 ②日本政治学会(千葉大学西千葉キャンパス、10月10・11日)では分科会「革命と政治」において、石川が研究報告「アメリカ革命と正統の創設」を行なった。 ③社会思想史学会(関西大学千里山キャンパス、11月7・8日)では、村田玲氏(青山学院大学非常勤講師)、石黒盛久氏(金沢大学)、鹿子生浩輝氏(九州女子大非常勤講師)を招いて分科会「制度の政治思想史:鹿子生浩樹『征服と自由:マキャヴェッリの政治思想とルネサンス・フィレンツェ』(風行社、2013年)を読む」を開催し、安武が司会を、犬塚が討論者を担当した。また、市民社会論をめぐる二つのシンポジウムの企画・運営に、小田川と犬塚が参加した。 ④日本ヴィクトリア朝文化研究学会(同志社大学今出川キャンパス、11月21日)では、シンポジウム「神はどこにおられるのか:ヴィクトリア時代知識人にとっての信仰」において小田川が研究報告「ヴィクトリア朝「教養」論の宗教的背景:ユニテリアニズムとリベラル・アングリカニズムを中心に」を行なった。また日本イギリス哲学会(学習院大学目白キャンパス、2016年3月29日)では、シンポジウム「イギリス思想における常識と啓蒙の系譜:18世紀スコットランドから20世紀ケンブリッジへ」の討論者を石川が担当した。また同学会関西部会(キャンパスプラザ京都、12月19日)で小田川が研究報告「ヴィクトリア期における宗教と教養:J・S・ミルとM・アーノルド」を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,政治思想史研究と政治理論研究の対話を通じて新たな制度論のパースペクティヴを提示すべく,(1)モンテスキュー,ヒューム,バーク,アダムズ,ミル,ギールケといった近代欧米の古典的政治哲学者のテキストの解読を行ないながら,代表制,政党制,二院制,連邦制,国際制度など,様々な制度をめぐる政治哲学の歴史と現在について,(2)歴史的な観点からの比較研究と,(3)概念分析を中心とした理論的考察を行うことを目的としている。 平成27(2015)年度を振り返るならば、前述のように、(1)については日本政治学会で石川が行なった研究報告と社会思想史学会で実施した分科会「制度の政治思想史」を、(2)については日本イギリス哲学会で石川が討論者として関わったシンポジウムを、(3)については、社会思想史学会で小田川と犬塚が企画運営に関わった市民社会論についての二つのシンポジウムを主な成果として挙げることができよう。また、そのいくつかについては、次年度以降、研究論文などのかたちで発表を予定している。 以上の具体的な成果を踏まえるならば、本研究の「研究の目的」の達成度については、「(2)おおむね順調に進展している」と評価すべきであると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28(2016)年度も引き続き、研究計画に記した三つの軸のうち、主に「(a)政治理論における制度論:理論的考察」と「(b)政治思想史における制度論:系譜学的考察」に取り組み、研究会の企画・運営、研究論文の執筆、メーリングリストによる研究情報の共有などを行なう予定であるが、前年度までの成果を踏まえつつ、特に、小田川が企画委員として関わっている日本政治学会(立命館大学大阪いばらきキャンパス、2016年10月1・2日)での分科会「政治思想史のナラティヴ――歴史叙述と素材選択」の実施に力を注ぎたいと考えている。 戦後の政治思想史研究を中心に、政治思想史の通史を語る際のナラティヴと制度論的思考がどう切り結ぶかを検討すべく、関谷昇氏(千葉大学)と竹澤祐丈氏(京都大学)にご報告をお願いし、司会を小田川が、討論を犬塚と安武が担当する予定である。 また、小田川と犬塚が編集委員に加わっている社会思想史学会事典編集委員会編『社会思想史事典』(丸善出版、2017年刊行予定)の項目執筆の機会も、本研究の遂行と関連させていく予定である。
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