本研究は、コミュニティをベースとした政策への積極的逸脱 (Positive Deviance) 行為の有効性を調べることを目的とする。地下水保全、水俣病問題、山間地コミュニティ維持、後期高齢者医療費の抑制の4テーマについて、PDがコミュニティを使った介入政策として有効だったかについて事例分析を行った。その結果、PDがコミュニティのもつネットワーク資源を生かせる環境下であればコモンズや地域振興に関して有効なアプローチとなりうることが分かった。しかし共同性の基盤が形成されていない公共問題にはその効果は見られなかった。
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