研究課題/領域番号 |
15K03287
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
三浦 まり 上智大学, 法学部, 教授 (80365676)
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研究分担者 |
スティール 若希 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50638765)
申 キヨン お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 准教授 (00514291)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 女性の政治参加 / ジェンダー平等 / 男女共同参画 / 女性の活躍 / 女性のリーダーシップ / 国会議員調査 / クオータ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,男性と比べて女性の政治参画が少ないのはなぜか.政治代表における男女不均衡(女性の過少代表/男性の過大代表)はなぜ引き起こされ,どのようなメカニズムで再生産されてきたのかを明らかにすることにある. 本研究の基礎となる研究組織はResearch Network on Gender and Diversity in Political Representation(GDRep, 政治代表におけるジェンダーと多様性研究会)として平成24年に三浦まり,申琪榮(キヨン),スティール若希(Jackie F. Steele)が発起し,運営してきた.GDRepは「政治制度と政党行動」セミナー・シリーズを昨年度5回開催したが,本年度もそれを引き継ぎ,4回開催した.7月に台湾国立大学の黄長玲助教授,11月に東海大学の辻有希准教授およびオーストラリア・La Trobe大学エマ・ダルトン講師,2月に岡山大学の上神貴佳教授を招いてセミナーをもった. 11月にはお茶の水女子大学ジェンダー研究所に企画協力し,ジェンダーと政治分野の第一人者を招いての国際シンポジウム「女性のリーダーシップと政治参画」が開催された. また,本年度は国会議員を対象とする郵送調査を3月に実施した.実施にあたっては,分担者である申琪榮とスティール若希と共同で調査項目を作成し,印刷・発送に関してはお茶の水女子大学ジェンダー研究所の協力を得た.平成28年4月現在,回収過程にある. このほか,6月にはスウェーデンのウプサラ大学で開催されたECPR(European Consoritum for Political Research)のGender and Politics国際会議に出席し,研究報告および研究交流をもった.1月には台湾総統選・総選挙を視察し,次年度以降の国際比較のための打ち合わせを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セミナーを年4回開催しており,予定通りに進展した.国際比較を行うにあたって,台湾と韓国との打ち合わせも順調に進んでいる. 国会議員対象の郵送調査は列国議会同盟が実施した世界調査を参考に,日本・韓国・台湾比較として意味ある項目になるよう精査した.日本語訳および調整に時間をかけ,さらには調査票のレイアウトに時間がかかったため,予定よりも遅い発送となった.回収率も高くないため,年度がまたがるが,次年度以降の電話での督促等の対応が必要となっている.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は前年度に発送した郵送調査のデータ入力,分析を行う.無記名調査であったが,インタビューに応じてくれる場合には記名としたところ,20人以上の記名があった.これらの議員に対してインタビューを行っていく. 日本での調査結果を踏まえ,韓国での同様の調査実施に向けて,パートナーを確定し,今年度中の実施をめざす.合わせて台湾での調査実施に向けて,パートナーの選定に向けて打ち合わせをもつ. また,2016年4月10日は日本の女性参政権行使70周年に当たることから,記念シンポジウムを開催する.韓国および台湾から女性の政治参画向上に尽力した関係者を招聘し,日本においてどのような取り組みが必要か議論する. 「政治制度と政党行動」セミナー・シリーズは引き続き年4回程度を目処に開催する.
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次年度使用額が生じた理由 |
郵送調査の発送が遅れたため,回収が年度をまたぐこととなった.回収に当たっての人件費,印刷費,郵送費等が次年度に先送りされた.
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次年度使用額の使用計画 |
持ち越しとなった約15万円は4月以降の回収作業にあてる.
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