研究実績の概要 |
最終年度に当たる2017年度は論文の執筆・報告に務めた。まずは2017年5月にアメリカ・ラトガーズ大学で開催された「政治分野における女性に対する暴力国際研究会」に三浦まりと申キヨンが参加し、当分野における最先端の研究成果に触れ、また参加者と意見交換を行った。 2017年6月にスイスで開催されたECPG(ヨーロッパ政治学会/政治とジェンダー学会)においては、Mari Miura, Ki-young Shing, Jackie F. Steeleの共著論文を英語で執筆、三浦・スティールが発表した。ここでは、郵送調査では予想に反して統計的に有意な性差はほとんど見出せなかったこと、しかしながらインタビュー調査においては、時間という政治資源において男女に大きな差があり、そのことが女性の出馬の阻害要因になっていることを論じた。 この論文をさらに発展させて、日本の選挙制度の特質から時間資源の比重が多いことを論じる論文を執筆し、9月の日本政治学会において三浦・申が報告を行った。 本研究は、日本・韓国・台湾の比較調査の一部を成すが、韓国チームが夏に郵送調査を終え、台湾チームも調査に着手したことから、3カ国を比較する会合を2018年1月にお茶の水女子大学及び上智大学にて持った。さらに3月には韓国チームの招待により、ソウルの議員会館にて国際シンポジウムを開催し、それぞれのチームの予備考察を行った。 このほかセミナーとして、6月にKenneth Mori McElwainを講師にお茶の水女子大学で、9月に建林正彦、濱本真輔を講師にお茶の水女子大学で、3月にJennifer Piscopoを講師に東京大学社会科学研究所にて開催した。
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