本研究は、旧ユーゴ諸国の中で、とくに深刻な規模の紛争を経験し、戦争責任をめぐる諸国間の対立が残っている4ヶ国(クロアチア、ボスニア、セルビア、コソボ)について、(1) 各国司法当局による戦犯容疑者の訴追、 (2) 市民社会組織による真相究明と対話促進、(3) 研究者による共通歴史教材の作成、という3つの移行期正義の取り組みに関する様々なデータを収集し、それらがどの程度進んでいるのか、そうした取り組みが、諸国間・諸民族間の紛争後の和解にどのような影響を与えているのかを分析した。分析の結果については単著『争われる正義ー旧ユーゴ地域の政党政治と移行期正義』として間も無く刊行される予定である。
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