複雑系の東南アジアとその下位地域(サブリージョン)としてのインドシナ地域における小国の役割を明らかにした。これまで大国間関係の力学の中で論じられてきた国際関係に対し、あえて小国をアクターに位置づけて、ラオスと地域形成の関連から調査してきた。とくに1990年代以降、広域アジアへと協力関係を「深化・拡大」させてきたASEAN(東南アジア諸国連合)リージョナリズムに積極的に呼応することにより、小国でありながらも東アジア国際関係のアクターとして自律的、主体的な役割を果たすメカニズムを明示した。そのなかで、緩衝剤としてASEANの役割の重要性が明らかになった。
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