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2016 年度 実施状況報告書

シンクタンクとしての民主化支援NGOとアメリカ外交の展開

研究課題

研究課題/領域番号 15K03323
研究機関静岡県立大学

研究代表者

佐藤 真千子  静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (40315859)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードアメリカ / シンクタンク / 権威主義 / 市民社会 / NGO / 民主化 / 人権団体
研究実績の概要

2016年度は、第1にワシントンDCで聴き取り調査を実施した。人権擁護及び民主化支援に携わる団体やリベラル国際主義の外交を重視するシンクタンクの専門家から、権威主義体制の国々の市民社会に対する彼らの認識とその状況に対する取り組みについて情報を収集した。とりわけプーチン政権下のロシアから「有害団体」と指定され、撤退を余儀なくされたアメリカのNGOが撤退後にどのような取り組みを進めているのか、今後についてどのような見通しを持っているかなどについて調査を行なった。彼らの多くが世界で権威主義が勢いを持ち市民社会の状況が悪化する傾向にあるのはアメリカの力の相対的低下と無関係ではなく、2016年大統領選挙におけるトランプ現象の波及も影響していると認識しており、アメリカも含む各国における民主主義の質の低下、民主主義の危機への対処を活動課題と捉えていることが確認できた。彼らへの調査から、諸外国の民主化支援についてアメリカ国内の有権者の理解を高めるプログラム、ロシアの近隣諸国における活動などについて解明することが重要となることが明らかとなった。第2に、ロシア及び東欧を拠点に活動するアメリカのNGO、シンクタンク、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー(RFE/RL)に関する調査を行なった。民主化支援策として注目されるのが、ポスト・ファクト、フェイク・ニュース、プロパガンダの配信に対抗する手段としてのプログラムである。そのようなプログラムがどのようなアクターによって展開されてきたか、プログラムの展開はアメリカ国内の政治的分極化の影響をどのように克服しているのかなどを分析している。
研究成果を学会で発表する機会を得ることができなかったことは残念であったが、学内外の研究会における発表や公開講座、新聞紙上(静岡新聞)等で成果の一部を発表することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2016年度は、アメリカにおいて主要な民主化支援NGOやシンクタンクに対して聞き取り調査を実施できた。調査で明らかになった内容は本研究を進める上で重要なファクターである。
本務校で採択された研究のための学外研修が重なったため、本研究で今年度計上した予算の一部を次年度に繰り越すこととなった。ただし、その学外研修の研究課題は本研究と関連するロシアの市民社会に焦点をあてた民主化支援に関する研究であり、本研究にも役立てることができ、進捗状況を遅らせるものではなかった。

今後の研究の推進方策

2017年度は、アメリカの主要シンクタンクやNGOの報告書、近年出版された新しい図書を活用して新たな知見を得ながら、分析を進める。特に、トランプ政権がスタートしたアメリカの「民主主義の質の低下」について、人権擁護や民主化支援に携わるシンクタンクやNGOは対外政策決定過程でどのような役割を果たしていくのかという点に注目する。

次年度使用額が生じた理由

本務校で採択された研究課題のための学外研修を実施する時期が本研究で当初計画した海外調査の実施時期と重なったため、本研究で計上した経費による出張を見送る必要があった。

次年度使用額の使用計画

研究課題に関係する研究図書の購入及び現地調査の出張旅費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 特別講義(静岡県立大学ニュース)

    • URL

      http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/news_topics/news20170125a/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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