・2019年度は、これまでに引き続き、中国の「一帯一路」や対外援助の実態をフォローするとともに、中国の政策性銀行である国家開発銀行、中国輸出入銀行、中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)などの活動実績に焦点をあてて研究を進めた。 ・国内では、大学の図書館や国会図書館、JETROビジネスデータベースコーナーなどで文献やデータの収集を行い、各種の英文データベースや中国学術文献オンラインサービス(CNKI)などを活用し、日本語や外国語の文献調査を行った。また、国内外の政策担当者や研究者などへのヒアリング調査や意見交換を行うことで、最新の研究動向や実態の把握に努めた。 ・2019年8月に米国に出張し、現地調査と研究報告を行った。ワシントンDCでは大学やシンクタンク、国際開発金融機関などの研究者や実務家と意見交換を行い、中国の「一帯一路」やインフラ金融、国際開発金融秩序の動向などについてヒアリングした。 ・2019年度が本研究の最終年度であったため、これまでの研究成果を報告したり、論文などにまとめて発表したりすることに重点をおいた。 ・習近平政権期の中国は、既存の国際秩序を選択的に受容しながら、一部の分野では改革を巧みに主導していること、特に国際開発金融分野では「改革者」や「建設者」として既存の国際秩序の変更や新しい秩序作りに関与するようになったことがわかった。
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