このプロジェクトは近年の日本の安全保障政策の変化が安全保障環境に与える影響を分析したものです。特に集団的自衛権の効果について理論的そして実証的な研究を行った。理論的には、ゲーム理論を用いて、集団的自衛権を備えるだけでは日本に米国の同盟コミットメントも日本に対する抑止力も向上することはないが、日本を取り巻く安全保障のジレンマを緩和する効果が得られる条件を明らかにした。実証的には、過去2世紀の同盟データと国際紛争のデータを分析し、同盟内における双務的な防衛義務は、非対称的な防衛義務と比べて、同盟国による開戦を抑制し、同盟国による一般抑止を改善するが、攻撃回避や同盟の信頼性を高めないことが分かった。
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