研究課題/領域番号 |
15K03339
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
稲葉 千晴 名城大学, 都市情報学部, 教授 (20223232)
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研究分担者 |
平山 龍水 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20245145)
毛里 和子 早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (40200323)
宮脇 昇 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50289336)
玉井 雅隆 立命館大学, 政策科学部, その他 (60707462)
伊藤 信哉 松山大学, 法学部, 准教授 (70389196)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 日露戦争 / 韓国併合 / 日中関係 |
研究実績の概要 |
平成27年11月7-8日、愛媛県松山市の坂の上の雲ミュージアムで、研究代表者および研究分担者が全員集まり、第1回の打ち合わせ研究会を実施した。また11月8日には同ミュージアム2階ホールにおいて「日露戦争と東アジア:今日的視点から」というタイトルで次の3名が発表した。毛里和子「日中関係:戦後70周年に思う」宮脇 昇「新聞報道からみた日露戦争」稲葉千晴「中国の戦場から見た日露戦争:坂の上の雲ミュージアム新収集史料について」 11月20日、稲葉千晴はソウルにおいて韓国北東アジア歴史財団主催の「第二次日韓協約締結110周年シンポジウム」に参加し、「日本による韓国占領1904年2月:軍事史の視点から」を発表した。 日中関係に関して、毛里和子は多くの講演をこなし、いくつもの研究論文を発表している。 玉井雅隆は、ドイツおよびポーランドの文書館を訪れ、二〇世紀初頭の東アジアの国際関係に関する多くの文書館資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ア)「20 世紀初頭の北東アジア国際関係史の再検討」 日露戦争を前後して、北東アジアの国際関係は大きく変動した。その国際関係の歴史は、今日まで北東アジア各国において、独自に解釈されてきた。またソ連崩壊後のロシアにおける史料公開と、新史料に基づく各国の研究によって、その解釈の違いを21 世紀になって相互に理解するようになった。しかし、その解釈の違いを受け入れて、解釈の変更をすすめようとは試みられていない。また新史料の発掘によって、新解釈に新たな肉付けができる状況が生じてきていても、従来の研究の殻を破るまで、研究が進んでいない。本研究では、20 世紀初頭に関する2000 年以降2014 年までの研究を整理し、変更された点を明確にし、それを日本・中国・韓国・ロシア・欧米の研究者が一堂に集まって確認し合う。それを相互に批判したまま放置するようなことをせずに、批判点を全体で確認し、欧米の学者の意見も入れて公表する。そうした作業を通じて、各国が納得するような国際関係史の理解を目指す。27年度は日本、中国、韓国に関して予定通り研究が進んだ。 イ)日露戦争と韓国併合との関連の解明 これまで日露戦争と韓国併合との関連が分析されてこなかった。この視点から、再度日本外交文書や陸海軍文書を読み直し、関連を解明する。27年度は日本側文書の分析が進んだ。 ウ)「大島廣誉文書」の分析と対応する中国側史料の渉猟 「大島廣誉文書」を分析し、それに対応する中国側史料を見つけ出し、日露戦争勃発以降の満洲における知られざる日中協力を解明する。27年度は、「大島廣誉文書」の分析を始めた。
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今後の研究の推進方策 |
28 年4 月、研究会にて各分担者の史料収集の状況報告と研究成果について報告 7月、海外における文書館資料の調査・研究 10 月 日本国際政治学会の日本外交史分科会で「韓国併合の諸問題」というパネルを作成 11 月 北京大学にて研究成果を共同で報告 12 月-29 年3 月、報告のフィードバックと共同研究成果について出版社と打ち合わせ
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次年度使用額が生じた理由 |
書籍購入額が若干予定より下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度には、計画を詳細に把握して書籍購入などで経費を使用する。
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