最終年度は、日本、フィリピンとヨーロッパにおいて現地調査と研究成果についての意見交換を実施した。まず、7月末に、日本においては都城市にある豊栄グループ(医療・福祉・国際教育)を訪問し、同グループが推し進めている国際人材育成事業について実態調査をすると同時に日本側の制度的な問題点について関係者と意見交換しした。 次に8月中旬からフィリピンのダバオ市とマニラ首都圏を訪問した。ダバオ市においては、ドゥテルテ大統領の関係者に面会し、政権中枢に少なからず存在するNGO出身者のキャリアパターンと、政権における役割(特に政策形成能力)との関係について聞き取りを行うと同時に、意見交換した。また、マニラ首都圏においては、国家経済開発庁(NEDA)長官のエルネスト・ペルニア氏と面談し、フィリピンにおける政府とNGOとの間の人事交流、国際人材育成について意見聴取するとともに、本研究の成果についてのコメントを得ることができた。その他にも、アジア開発銀行、フィリピン大学などにおいても同様の意見交換を実施した。 9月中旬には、タイを訪問し、タマサート大学関係者と面談し、タイにおける国際人材育成ついての意見交換し、併せて本調査の成果についてコメントを得ることができた。 9月下旬にには、連合王国、ベルギー、オランダ、フランスを訪問し、それぞれの国の代表的な研究機関、国際機関、国際NGOを訪れ関係者と意見交換した。とりわけ、オランダにおいては、NDF(民主人民戦線)の議長であるホセ・マリア・シソン氏(新人民軍創設者)をはじめとする共産党幹部と面談し、NDF参加の国際NGOにおける人材育成と公的機関との間の「人事交流」について情報を収集すると同時に意見交換を行った。
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