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2015 年度 実施状況報告書

インド太平洋における地域協力制度の形成・発展に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03345
研究機関立命館アジア太平洋大学

研究代表者

吉松 秀孝  立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (90300839)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード地域協力 / 制度形成 / インド太平洋
研究実績の概要

本研究は、インド太平洋という地域枠組みの下で、貿易、交通インフラといった特定領域における地域協力の実態と課題を分析し、アジアにおける国際協力の発展に向けた提案を示すことにある。すなわち、日中に代表される域内主要国が地域公共財の提供を通した共同利益の形成・促進と地域における政治的影響力の保持・拡大という2つの政策目標を実現するためどのようにリーダーシップを発揮してきたのか、国際レジームによって醸成されてきた規範や規則の浸透が地域ガバナンスの形成にどのような影響を及ぼしているかを政策領域ごとに比較・検討し、アジアにおける地域協力の発展に向けた課題と展望を提示することを目指している。
27年度は研究を始めるにあたっての分析枠組みの構築をめざした。このため、ベルギー・ブルージュにある国連大学地域統合比較研究所(UNU-CRIS)に1か月間客員研究員として滞在した。滞在中に欧州統合に関する近年の理論的研究および地域主義に関する比較研究に関する文献を収集し精力的に読み進めた。欧州における新政府間主義という新たな理論の発展、欧州連合を中心とした地域組織のアクターネス(行為主体性)についてその構成要件やASEANを含む他地域への適用可能性について知見を得た。また、地域主義に関する比較研究については、欧州における公式の地域主義とアジアにおける非公式の地域主義の違いと意味について考察を進めた。欧州での研究を通して、これまで国家に限定して考えていた地域リーダーシップの提供を、明確なアクターネスをもつASEANという地域組織をくわえて分析枠組みを再構成する必要性を認識した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分析枠組みの構築については、域内主要国の利益と行動に加えて独立したアクターとしてのASEANに着目しその行動と影響を視野に入れて再構成することとした。実証分析の対象領域については、インフラ開発はインドを含んだ地域領域で様々な動きがあり、こうした動きを捉えて実証情報の収集には困難はないと考える。貿易分野は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の進展、エネルギー分野は地域協力の具体的進展を注意深く観察し、情報収集を精力的に進めていく必要があると考えている。

今後の研究の推進方策

28年度は、実証分析を本格的に進めていく。そのため、日本、東南アジアでのフィールド調査を実施し、聞き取り・文献調査を通して関連情報・データを収集する予定である。特に特定政策領域における地域協力の実態、地域協力制度の形成状況、そこでの主要国の関与状況と関与の背景にある誘因などを分析するための資料を収集する。さらにはグローバルな価値をもつ規範や規則が地域協力の進展にどのような働きをしたのかについても考察をすすめる。収集した情報・データの分析を年度末にかけて進めることにしている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Diplomatic Objectives in Trade Politics: The Development of the China-Japan-Korea FTA2015

    • 著者名/発表者名
      Hidetaka Yoshimatsu
    • 雑誌名

      Asia-Pacific Review

      巻: 22 (1) ページ: 100-123

    • DOI

      10.1080/13439006.2015.1038890

    • 査読あり
  • [図書] The Political Economy of Japanese Trade Policy2015

    • 著者名/発表者名
      Aurelia George Mulgan, Masayoshi Honma, Hidetaka Yoshimatsu, et al
    • 総ページ数
      227 (196-221)
    • 出版者
      Palgrave Macmillan

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公開日: 2017-01-06  

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