研究実績の概要 |
今年度は研究の最終年度であるため、昨年度まで進めてきた理論的考察および実証分析の成果を国際研究学会での発表および主要な学術雑誌での出版という形で社会に還元することを主要な活動として進めた。実証分析の柱の一つにしていた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉が平成30年度までに妥結に至らなかったため、分析の対象事例として活用することが難しくなった。その代替として、以前から考察を進めていた本研究の主要な地域概念である「インド太平洋」について、日本の外交政策の文脈でその発展状況を構成主義の視点から分析する研究、あるいは本地域概念の枠組みの下での日本、中国、インドを巻き込んだ複雑な大国政治の状況を分析した研究を進めた。こうした視角からの研究成果をアジア太平洋年次研究大会および国際関係学研究における最も権威のある学会である世界国際関係学会(ISA)の年次大会で報告するとともに、査読付き学術雑誌であるContemporary Politics, The Pacific Reviewに投稿し、ウェブ上での出版にまでこぎつけた。
|