生徒の学校への配属を決定する学校選択制において、最もポピュラーな配属方式である受入保留(DA)方式は、真の希望順位を表明することが生徒にとって支配戦略であるにもかかわらず、現実にはそこから逸脱する場合がある。 この逸脱のパターンを同定するために実験室実験を行い、生徒は自分の希望順位ではなく、自分を高く評価してくれている学校の順に希望順位を操作することがわかった。これをスキップダウン戦略という。 次にスキップダウン戦略がナッシュ均衡の意味で合理的であるための条件ならびにそこで実現したマッチングが安定マッチングである条件を理論的に導出し、一定の条件の下でこうした戦略が合理的になることが示された。
|