本研究の学術的な意義は以下の点に求められる。(1) 有限次元におけるアトムレス測度空間を消費者の空間とする交換モデルの均衡の存在及びコアとの同値性を選好の凸性の仮定なしに証明したAumannの古典的な定理の経済学的な意義を無限次元財空間モデルにおいて回復した、(2) 同時にこれらのモデルにおいて非分割財をも扱えるようになった。(3) 経済を消費者の測度空間から消費特性空間への写像として定義するアプローチ(Individualized approach)と経済を消費特性の空間上の分布と捉えるアプローチ(Distributionalized approach)が同値であることを明らかにした。
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