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2016 年度 実施状況報告書

長期の貨幣政策とデフレ不況

研究課題

研究課題/領域番号 15K03365
研究機関駒澤大学

研究代表者

井上 智洋  駒澤大学, 経済学部, 講師 (90547093)

研究期間 (年度) 2015-10-21 – 2020-03-31
キーワード内生的成長 / ニューケインジアン / 内生的貨幣供給 / ゼロ金利制約
研究実績の概要

「ヴァラエティ・エキスパンディングモデル」と「ニューケインジアンモデル」を統合したモデルを構築して、インフレ率と長期的な経済成長率との正の相関を示した論文"R&D-based Growth Model with Nominal Wage Stickiness"をTheoretical Economics Letters誌に投稿して採択された(2016年9月)。
「ラーニング・バイ・ドゥーイングモデル」と「ニューケインジアンモデル」を統合したモデルを構築し既に論文にまとめているが、まだジャーナルへの投稿はできていない。その他、「クオリティー・ラダーモデル」や「人的資本モデル」などの内生的成長モデルと「ニューケインジアンモデル」との統合についても目論んでいるが手つかずである。
これまでのデフレ不況に関する理論的研究から得られた結果を『ヘリコプタマネー』(日本経済新聞出版社)という著作にまとめて出版した(2016年11月)。そこでは、(1)貨幣成長率が長期的に産出や失業率に影響を及ぼすこと、(2)ゼロ金利経済では、マネタリーベースの増大率とマネーストックの増大率がデカップリングして、金融政策が効きにくくなること、(3)国債を発行し財政支出を拡大させるとマネーストックが増大すること、などが主張されている。
ゼロ金利経済に関しては、かつて構築したモデルが複雑すぎると研究協力者から指摘を受けていたので、より簡単なモデルを構築した。この新しいモデルを使って分析した結果、名目粘着性がなくても、長期的なデフレ不況(デフレと低い産出水準)が起き得ることが分かった。目下このモデルとその結果を論文にまとめているところであり、完成したらEconomics Letters誌に投稿したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「人工知能が経済に与える影響」をテーマにした講演やインタビュー、雑誌記事の執筆などを依頼されているため。

今後の研究の推進方策

研究課題の進捗がやや遅れているが、講演などの仕事を減らすことによって、もっと進捗を速めたい。

次年度使用額が生じた理由

ノートパソコンを購入する予定だったが、まだ購入していない。また、国内外での学会発表を行う時間的余裕がなかった。

次年度使用額の使用計画

ノートパソコンを購入する。少なくとも国内での学会発表を一回は行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] R&D-based Growth Model with Nominal Wage Stickiness2016

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Shinagawa, Tomohiro Inoue
    • 雑誌名

      Theoretical Economics Letters

      巻: Vo.6 No.5 ページ: 854-867

    • DOI

      10.4236/tel.2016.65089

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] ヘリコプターマネー2016

    • 著者名/発表者名
      井上智洋
    • 総ページ数
      194
    • 出版者
      日本経済新聞出版社

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公開日: 2018-01-16  

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