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2016 年度 実施状況報告書

将来期待と日本経済の短期および中期的変動

研究課題

研究課題/領域番号 15K03373
研究機関関西学院大学

研究代表者

岡田 敏裕  関西学院大学, 経済学部, 教授 (50411773)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードニューケインジアンモデル / 内生的技術進歩 / ニュースショック / フィリップス曲線
研究実績の概要

本研究では、近年の景気変動分析で頻繁に用いられているニューケインジアン動学的一般均衡モデルに、将来に関する期待の外生的変化と研究開発を基礎とした内生的技術変化を組み込んだ理論モデルを構築することで、日本経済の短・中期的な経済変動の定量的な分析を行うことを目的としている。2016年度の研究実績は以下の3点である。
第1点目の実績は、2015年度に構築した理論モデルに修正・改良を加え、より現実的なモデルを構築したことである。具体的には、"time to build"タイプの研究開発プロセスをモデルに組み込んだことである。研究開発には通常ある程度の連続的な投資が必要であり、物的資本の蓄積のための投資活動より長い時間がかかるが、この点を考慮したモデル構築を行った。
第2点目の実績は、モデルの構造推計をベイジアン手法を用いて行った点である。先行研究で推計されるパラメーターに関しては先行研究と矛盾しない結果が得られ、その他のパラメーターに関しても現実的な推計値を得ることができた。
第3点目の実績は、推計されたモデルのパラメーター値を基に、モデルのシミュレーション分析を行ったことである。シミュレーション分析により、通常のニューケインジアン動学的一般均衡モデルでは説明不能なインフレーションの持続性を、本研究のモデルで説明することが可能なことを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、ニューケインジアンモデルに、ニュースショックと内生的技術変化を組み込んだモデルを構築し、それを適切な方法で推計し、先行研究や現実と矛盾しないパラメーターの推計値を得ることが極めて重要である。これは、適切なモデルパラメーター推計値が得られなければ、モデルのシミュレーションによる定量的分析が行うことができないためである。この点に関してすでに述べたように顕著な進展があった。
さらに、シミュレーションによる定量分析に関して、フィリップス曲線の分析において、先行研究では上手く説明できなかったインフレの持続性を説明できることを示すことができた。

今後の研究の推進方策

2017年度に行うことは、現在のモデルをより発展させ、海外からの技術移転を考慮することができるモデル構築を行う。これは日本経済を分析する上で、重要であると考えられるためである(米国などからの最先端技術の日本への流入)。
モデル構築後にモデルを使用したシミュレーション分析を行いニュースショックやその他のショックが内生的技術進歩に与える影響を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

主に、当初予定していた出張費(海外学会など)が少なかったために次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

国内外での学会やセミナーへの出席・報告のため使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Time to Innovate and Aggregate Fluctuations: a New Keynesian Model with Endogenous Technology2017

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Okada
    • 雑誌名

      School of Economics Kwansei Gakuin University Discussion Paper

      巻: No.154 ページ: 1,50

  • [学会発表] Time to Innovate and Aggregate Fluctuations: a New Keynesian Model with Endogenous Technology2017

    • 著者名/発表者名
      岡田敏裕
    • 学会等名
      関西学院大学 経済学部研究会
    • 発表場所
      関西学院大学経済学部(兵庫県、西宮市)
    • 年月日
      2017-04-19 – 2017-04-19

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公開日: 2018-01-16  

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