研究課題/領域番号 |
15K03376
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
福田 進治 弘前大学, 人文学部, 教授 (00322925)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 経済学史 / 古典派経済学 / リカード |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、スラッファ編『リカードウ全集』刊行(1951年-1973年)以来の日本のリカード研究の状況と欧米のリカード研究の状況を比較しながら、両者間の異同と各々の特色について検討することを通して、日本のリカード研究の「独自性」と「多様性」を明らかにすることである。このために平成27年度は以下の作業を行った。
(a) 初年度の作業として、内外のリカード研究に関連する資料・文献の調査・収集を実施した。また、History of Economic Thought Conference(2015年9月2日-4日、英国)、経済学史学会全国大会(2015年5月30日-31日)、経済学史学会東北部会(2015年4月18日)、経済学史学会関西部会(2015年12月12日)、マルサス学会大会(2015年6月27日-28日)他の機会を利用して、内外の研究者からの情報収集に努めた。 (b) 主に、羽鳥卓也、中村廣治を中心とする日本のリカード研究史について、収集した資料・文献の整理・検討を実施した。その上で、当該年度は中村のリカード研究に焦点を当て、中村によるスラッファのリカード解釈の批判、同じく羽鳥のリカード解釈の批判、中村のリカード研究の独自性、スラッファ=羽鳥=中村の継承関係を検討し、日本のリカード研究史に対する中村の貢献を明らかにした。 (c) 以上の研究の成果をまとめて論文を執筆し、『人文社会論叢』第35号に発表するとともに、第53回経済思想研究会(2015年12月13日)において、口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に沿って、内外のリカード研究に関連する資料・文献の調査・収集・整理・検討を行い、日本のリカード研究史の検討作業を進めている。また、日本のリカード研究史の中で中心的な役割を果たしてきた中村廣治のリカード研究について、より内在的な検討を進め、その成果を国内の研究会で発表するとともに、論文を発表するに至っている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、内外のリカード研究に関連する資料・文献の調査・収集・整理・検討を進めるとともに、日本のリカード研究史に関する内在的な検討を進めていきたい。また、今後は一層、国内外の学会・研究会における研究成果の発表に務めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を計画していた一部書籍の刊行が想定よりも遅かったため、若干の未使用額が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度購入予定だった書籍の購入に充てる。
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