平成29年度に予定していた作業は、1、『産業の新世界』の分析と翻訳、2、文献リストの作成、3、研究成果の公表、である。 1、『産業の新世界』の分析と翻訳を継続して行った。翻訳の出版を目指して、出版社と交渉を行っている。 2、フーリエ全集や一橋大学社会科学古典資料センター所蔵の初版本などのイメージデータをもとに、OCRで読み取って、電子テキスト化を進めた。 3、研究の締め括りを兼ねて、シャルル・フーリエの研究に資するため、海外研究者2名を含む9名の報告者を招聘して研究集会を開催し、自ら「『産業の新世界』の構想と成立―その序文の一草稿を素材にして」と題して発表した。また、文献調査手法を検討するために、西洋古版本を対象にした書誌学の研究を継続的に行っている。「R.A. Sayce「1530年-1800年に印刷された本の植字慣行と印刷地の特定」(4)」、(翻訳)F・ジュショー、P・ボナンベルジェ、A・コマンダ「製本用皮革とパーチメントに用いられる動物の種類の特定」は、平成29年度におけるその成果である。さらに、出版には至っていないが、事典項目と研究論文の執筆を行った。
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