研究実績の概要 |
本研究は,アルフレッド・マーシャル(Alfred Marshall, 1842-1924)の経済学の展開とその継承を考察するため,彼の教え子であるアーサー・レオン・ボウレイ(Arthur Lyon Bowley, 1869-1966)とウォルター・レイトン(Walter T. Layton, 1884-1966)との継承関係ならびにマーシャルの経済学方法論の分析を行うものである。 平成30年度はこれまでの研究の最終年度として,レイトンとボウレイの著作目録を作成した。今後,学会においてこれらの資料の紹介と論文の作成を行っていく。レイトンの著作目録は存在せず,ボウレイの著作目録は1957年に.G.D.Allen & R.F.Georgeが作成したが,すべてを網羅していない。ボウレイの資料に関しては,関西学院大学が購入したボウレイ親子のコレクションが平成29年に整理公開したのですぐに調査を行った。その結果,さらなる調査研究が必要であることが判明したので,研究期間1年間延長し平成30年度も継続して調査研究を行った。 これまでの研究は,初年度の平成27年に研究を進めていくためにロンドン大学(LSE)とブリティッシュ・ライブラリーでのボウレイ,ケンブリッジ大学でのレイトンの資料調査を行った。その調査を基に,平成27年にマルサス学会で報告し,平成28年には同学会誌に掲載された。また'The Development of Marshall's Economic Methodology in light of his Critique of Ricardo'を平成29年5月にベルギーで開催されたヨーロッパ経済学史学会(ESHET)で報告した。平成28年7月にメルボルンで開催されたオーストラリア経済学史学会(HESTA)で,マーシャルの有機的成長と方法論に関する論文の報告も行っている。
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