研究課題/領域番号 |
15K03390
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
山口 秋義 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 教授 (80269026)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 統計制度 / 統計調査 / 統計史 |
研究実績の概要 |
①ロシア国立経済公文書館(モスクワ)とロシア国立歴史公文書館(サンクトペテルブルグ)においてロシア革命前後の政府統計制度改革をめぐる論議に関わる公文書の複写を入手し解読作業をすすめ、その成果として以下の業績を発表した。 ②研究成果その1Акиёси Ямагути. Международный статистичес-кий конгресс во Флоренции и создание ЦСУ в Советской России. Вопросы Статистики. 2016, №5.(単著・査読・露文)「万国統計会議フローレンス大会とソヴィエト政権下における中央統計局の設立」『統計の諸問題』2016年5月、ロシア連邦国家統計庁学術雑誌。 ③研究成果その2(単著)「ロシア公文書からみた万国統計会議ブリュッセル大会(1853年)」『九州国際大学経営経済論集』第23巻第1・2合併号、2017年3月。 ④研究成果その3(単著・査読)書評「イ・イ・エリセーエワ,ア・エル・ドミトリエフ著『ロシア国家統計通史』(ロストク社,サンクトペテルブルグ,2016年(露語))経済統計学会『統計学』第112号、2017年3月。本書は研究上の助言を得ているエリセーエワ教授が新たに発掘した公文書に依拠して執筆したロシア統計史の最新成果である。 ⑤研究成果その4書評(単著・査読・露文)Елисеева, Дмитриев. Очерки поистории государственной статистики России, Санкт-Петпрбург, 2016. Известия СПбГЭУ.イ・イ・エリセーエワ,ア・エル・ドミトリエフ著『ロシア国家統計通史』(ロストク社,サンクトペテルブルグ,2016年(露語)の露文書評。サンクトペテルブルグ国立経済大学通報へ投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モスクワとサンクトペテルブルグの国立公文書館における資料の複写を概ね計画通り進めることができた。これら収集した公文書の解読を通じて執筆したロシア語論文がロシア連邦国家統計庁の学術誌に掲載された。この論文によって、集中型統計組織の構想が計画経済とのかかわりにおいてでなく西欧の統計論議の影響下で革命前にすでに形成されていたという新しい見解を示すことができた。また、1853年に開催された万国統計会議ブリュッセル大会における統計制度論議に対してロシア政府がどのような評価を下していたかを明らかにした論文を『九州国際大学経営経済論集』に発表した。さらに、公文書に依拠したロシア統計史に関する最新の成果であるイ・イ・エリセーエワ,ア・エル・ドミトリエフ著『ロシア国家統計通史』(ロストク社,サンクトペテルブルグ,2016年(露語))の書評が経済統計学会『統計学』に掲載された。この著書の書評をロシア語で執筆しサンクトペテルブルグ国立経済大学通報に投稿した。この書評は依頼原稿である。 以上により研究は計画と比しておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
①モスクワとサンクトペテルブルグの国立公文書館における公文書の複写作業を続ける。 ②19世紀半ば以降の万国統計会議における統計制度論議にロシア政府がどのような評価をあたえこれが革命後の統計制度改革に影響を与えたことを示すロシア語論文を執筆し、ロシア連邦国家統計庁学術誌『統計の諸問題』誌へ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
モスクワのロシア国立経済公文書館における複写は紙媒体でだけ提供されていましたが、昨年からCD-ROMでの提供が開始されました。したがって一昨年の紙ベースの複写と比べ軽量であったため輸送費が安価に済んだことにより約2万円の余剰金が生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
研究期間3年目はこれまでよりも予算が少ないため、前年度余剰金の約2万円は公文書複写費用として追加支出いたします。
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